あまり役に立つかどうか考えない

仕事

転職するなら今より条件が良くなくては

 休職する前の話しだが、同僚がこんな話しをしていた。

 ある課長さんが年度末で退職して他の会社に転職するという話しである。その同僚曰く、もし転職するのであれば、それはきっと今よりも収入がよく、待遇も良いに違いない。そうでなければ、50歳で転職する意味ってないですよね。と、そんな感じのことを話していた。

 その同僚は40歳ぐらい。管理職候補の人物である。世間一般の考えは、この同僚みたいな意見が多数なんだろうなと、その時は思った。この話しを聞いたのは2年程前だったが、その頃の私はもう既に今の会社に定年までいるのは嫌だなと思っていたので、この同僚の話しにはあまり同感できなかった。

 長年同じ会社にいると嫌な部分も見えてくる。環境を変えたいという気持ちも湧いてくる。転職した課長さんの気持ちは何となく分かる気がする。決して待遇が良いとか収入が良いとかはあまり重要ではなくなり、より気持ちよく働ける環境が大事になってくるというのもある。

役に立つかどうかという焦り

 これまで私は、これは役に立つのか、これはどのように活かせるのか、そんなことばかり考えてきたように思う。そう考えていると、常に焦りが出て、早く吸収しなければいけないとか、早く理解して仕事に活かせなければと、そんなことばかり頭に浮かんでいた。そうなってくると、物事が味気なくなり、本を読んでいても面白くない。頭に入ってこない。

 これは役に立つとか、何かに活かせるという思考は、自分が本当に何がしたいのかを置き去りにしている感じがある。世の中に出回っているお得な情報というものは、自分にとって本当に必要な情報なのかは怪しい。世の中に踊らされているだけかもしれない。

自分の転職活動では

 転職活動を始めようと思っている。転職エージェントにも登録した。今の収入と同等でなければ嫌だ、とは考えていない。資格であったり特技がない私なので、恐らく転職市場では低い評価だと思う。それでも、今の会社にずっといる方が精神衛生上良くない気がしている。

 転職活動では、できれば活気のある、穏やかな職場があればと思っている。そして、今まで経験したことのない分野に挑戦したいとも思っている。その時に、自分の何かが役に立てればとかはあまり考えないようにしようと思う。そうしないと、選択肢が狭まる気がして、本当にやりたい事が見えて来ないと思う。

役に立つは打算的

 これは役に立つのかという考え方には、打算的な要素もあるように思う。逆に言えば、役に立たないものは排除するよ、ということだと思う。私は何かに没頭してみたいという思いもある。そうであれば、これは役に立つのかという考えは抑えていきたいと思う。

 役に立つかどうかということは、バランスも大事になってくると思う。全く役に立つということを排除してしまうと、役に立たない人間になってしまう。これでは本末転倒である。少しは役に立たないといけない。難しいが、この微妙なバランスを保ちながら、要は自分らしく生きていきたいと思う。

おしまい

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