読書感想文「かたちには理由がある」秋田道夫

読書のこと

「かたちには理由がある」 著者:秋田道夫 ハヤカワ新書

 

かたちには理由がある (ハヤカワ新書)

 この頃、秋田道夫氏のXをよく見ている。その言葉一つ一つに強い共感を抱き、秋田氏の書籍をぜひ読んでみたいと手に取った一冊です。

 秋田道夫氏はプロダクトデザイナーとしてご活躍されている方です。この本でもご紹介していますが、デザインしたもので代表的なのが信号機です。私もここ4、5年位でしょうか。信号機がイヤに薄くなったなと。だけど、しっかりと赤・青・黄の色は見やすい。このほかにも実に様々な製品をデザインされています。

 この本のタイトルにもあります「かたちには理由がある」ですが、その理由というものが腑に落ちると言いますか、そうなんだと感心させられました。

 デザインをしていく中で、製造工程や素材の特徴など、様々な制約を考えながら進めていくという記述があります。本では「素敵な妥協」と呼んでいますが、これは通常の我々の仕事の中でも言える事だと思います。

 仕事をしていく中で、予算の制約、人的制約、トップの判断など、いろんな制約がありますが、それを一つ一つ調整し、うまく妥協していきながら、より良いものを作り出していく。同じだなと感じました。

 また、「機嫌良く」という言葉も出てきます。この機嫌良くという言葉は私にとって非常に心に刺さりました。機嫌の悪い方の近くには居たくないないものです。ですが機嫌の良い方のそばにいると、何かこちらも機嫌が良くなる気がします。

 機嫌良くするという事が、いろんなことを上手く運ぶキッカケになると思います。仕事をしていく上では基本的なことを修得しなければいけないし、上司への報告、関係部署への調整などありますが、本人が機嫌良くしていれば周りが和み、周りが助けてくれて仕事が上手く回っていく。

 この本を読んで感じたことは、何か片肘を張らずに、だけどやるべきことはやる、物事が良い方向へいくように妥協していく。そして自分が特に威張る訳ではないけど、充実し穏やかに過ごしていく。こんな気持ちにさせてもらいました。

 本自体は薄いので直ぐに読めてしまいますが、じっくり読んでみることをお勧めします。

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