自分の考えを理解してもらうことに固執しない

仕事

 仕事をしていると企画書を書く機会がある。新規事業であったり、滞っている事業の立て直しをするときなど様々である。

 色々調べ、熟慮し、他部局にも相談し、渾身の企画書が出来上がる。

 自分ではとても良くでき上がったと思っている。論理構成もしっかりしると思うし、上層部への説明にも自信がある。

 それでもダメ出しが出ることもある。そういうときは納得いかない。

 こういうときは、得てして自分が書いた企画書は正しい、もっと言えば自分が正義だ!ぐらいに思っている。

 頭に血がのぼり怒り心頭になっている。とても危険な兆候である。

 自信があるときほど、周りが見えなくなる。なにせ自信があるのだから、周りの意見など意に介す必要などないと思っている。

 だけど冷静に考えてみると、自分の考えを簡単に理解してもらえないことぐらいはごく当たり前のことだと気付く。

 置き換えて考えてみるとよく分かる。同僚が考えた企画書を読でみる。同僚は自信満々である。だけど、課題設定が甘いとか、根拠数字が曖昧などいろいろ粗が見えてくる。

 だが同僚は反論していくる。ここはこういう背景があるのだからこれで良いのだと。私が意見しても変えようとしない。

 自分が自信満々で書いた企画書もそうだったんだなと、そこで気付くことになる。

 こういったときというのは、企画書を書いていながら、実は自分の存在意義を見せつけたいと欲を出しているのである。

 自分はここまで出来るんだとか、自分には能力があるんだといった自尊心を高め、満足したいだけなんだと思う。

 そんな気持ちになっていると心が曇っていき、そもそもの課題解決から遠ざかっていくことになる。なにせ自己満足で書いているのだから、素直に周りの意見を聞こうという気持ちが湧かず、偏った企画書が出来上がる。

 調子が良いと感じているときほど、こういう状態に陥る。

 こういった状態を防ぐには、そもそも仕事で自尊心を得ようとは考えないことである。

 自分の能力を見せつけようとか、自分の方が偉いんだとか、マウントを取るような思考や行動を取らないことである。

 マウントを取らなくても、ちゃんと会社内で生きていけるんだと認識することである。

 余計なことに神経を使わない、仕事そのものに意識を向けることである。

 自分の考えを理解してもらわないこと=自分のことを否定されている、とは考えないことである。

 自分の考えを理解してもらいないときは、とても落ち込むしやる気も失い、苦しい気持ちになる。

 そういうときは、深呼吸をし、席を立って気分転換する。一旦その仕事から離れ、気分を落ち着かせる。

 自分の考えを理解してもらえなくても生きていけるんだと感じられると、気楽に仕事が出来ると思う。

 

コメント