リワークでの一言
「あたなは何と闘っているの?」一回目の休職時のリワーク(復職訓練)後半で、精神科の先生から言われた一言である。かれこれ10年前になる。あなたはなぜ勉強するの?どういう目的で勉強するの?そういう問いに対して、優位に立ちたいとか、言い負かしたいとか、心のどこかでそう思いながら勉強していた気がする。人間だから、多少の比較や競争心はあると思うけど、誰かから優位に立ちたいとか、知ったかぶりをしたいとか、そういう気持ちで進めていくと何か面白くない気がする。
これまで生きてきて、純粋に勉強したいとか何かを身につけたいと思った事はないなと思う。記憶を遡ってみてもなかなか思い出せない。何か勉強を始める時は、心の片隅にこれをやっておけば優位に立てるとか、偉くなれるとか、邪な考えがチラついていた。こういう勉強を続けていくと、何か心がさもしくなっていく気がする。
他人を意識しすぎ
人間なんてものは一人では生きていけないので、必ずと言ってよいほど他人が関わるし、意識せざるを得ない。そうは言っても、これまでの自分はやはり他人の目を意識し過ぎていて、仮想の敵ではないけど闘うために勉強してきたのだと思う。知らず知らずのうちに闘う度合いが大きくなったのだと思う。自分が思っているほど、他人は自分の事は思っていないんだよね。自分がそうだから。
勉強すること、知識を得ること自体をもっと楽しめるようになりたい。自分自身が成長できるような、豊かになれるような学びをしていきたい。そのためにも、他人との意味のない競争を止めていこうと思う。前出の先生の言葉の続きには、「そんな競争心なんか捨ててしまいなさい。もっと早く素直に幸せになってよいのよ。」とおっしゃっていただいた。
当時の自分には、それをやってしまったら、今まで築き上げてきたものが崩れ去っていく感触があり抵抗を感じていた。だが今となっては、やっとその言葉の意味がわかってきたように思う。限りある人生、そんなに他人を意識している時間はないはず。変なプライドを捨てて、心躍る方向へ、自分の好奇心が向く方向へ進んでいきたいと、この頃は思っている。
おしまい
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